25年もつ外壁塗装はある?塗料の耐久性・費用・長持ちのコツを紹介
2025.12.03 (Wed) 更新
「外壁塗装には25年もつものがある」そんな噂を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
できれば何度もメンテナンスをせずに、1回の塗装で長く安心したいと考えるのは自然なことです。
この記事では、25年もつ外壁塗装は可能なのか、そして長く外壁を良好に保つために何が必要なのかを分かりやすく解説します。
外壁塗装の耐用年数やリスク、最適なメンテナンス方法を知って、家を長く守るための参考になれば幸いです。
目次
外壁塗装はメンテナンスなしで25年維持するのは難しい
外壁塗装は一般的に10年前後でメンテナンスが必要と言われており、25年間まったく手を入れずに維持するのは現実的には難しいとされています。
塗料のグレードによって耐久性が高いものもありますが、日当たりや風雨などの環境条件によって劣化速度は大きく変わります。
見た目が問題なくても下地が傷んでいるケースも多く、気づかないうちに外壁全体の性能が低下している可能性があります。
すでにメンテナンスなしで10年以上経過している場合、なるべく早く業者に相談しましょう。
外壁塗装の塗料別耐用年数と費用相場を解説
「一度の外壁塗装でできるだけ長く安心したい」という方にとって、塗料の耐用年数は気になるポイントです。
塗料にはいくつかのグレードがあり、それぞれ寿命と費用のバランスが異なります。
代表的な塗料ごとの特徴と、注意点や費用相場を確認しておきましょう。
ウレタン塗料
ウレタン塗料の費用相場は1平方メートルあたり1,600〜2,500円程度と、外壁塗装の中でも比較的安価で取り入れやすい塗料です。
柔らかい塗膜で密着性が高く、細かい部分にも塗りやすい特徴があります。
一方で紫外線に弱いため、耐用年数は5〜10年程度と短めで、長期的に外壁を保ちたい方にはこまめなメンテナンスが必要になります。
シリコン塗料
シリコン塗料は、外壁塗装で最も一般的に使用されている標準グレードの塗料です。
耐用年数は7〜15年程度と、価格と耐久性のバランスが良いことから多くの住宅で採用されています。
耐久性が高く、紫外線や雨風から外壁をしっかり保護できるのが特徴です。
費用相場は1平方メートルあたり1,800〜3,500円ほどで、コストを抑えつつ一定の耐久性を求める方に適しています。
フッ素塗料
フッ素塗料は、耐用年数が12〜20年程度と、優れた耐久性をもつハイグレードな塗料です。
紫外線や雨に対して強い保護効果を発揮し、長期間にわたり外壁の美観を保ちやすいという特徴があります。
費用相場は他の塗料に比べて価格は高めで、1平方メートルあたり3,000〜5,000円ほどです。
「長持ちさせたいが無機塗料ほど高額にはしたくない」という方に選ばれています。
無機塗料
無機塗料は、外壁塗装の中でも最上位グレードに位置づけられる高耐久塗料です。
耐用年数は18〜20年とされ、紫外線や雨風、汚れによるダメージを受けにくい特徴があります。
塗膜が劣化しにくいため、長期間外壁を美しく保ちたい方に向いている塗料です。
費用相場は1平方メートルあたり3,800〜5,500円ほどと少し高めです。
「多少コストがかかってもできるだけ長く安心したい」という方に選ばれる傾向があります。
外壁塗装を25年しないことで起こり得る劣化サインとリスク
外壁塗装を長期間行わないと、塗膜の劣化だけでなく、住宅そのものの寿命にも影響が出てきます。
初期のうちは見た目の変化だけでも、進行すると構造部分へのダメージにつながることがあります。
ここでは25年放置した場合に起こりやすい劣化サインと、その先にあるリスクを確認していきます。
チョーキング現象の発生
外壁を手で触ったときに白い粉が付着する状態を「チョーキング現象」と言います。
これは塗膜が紫外線によって劣化し、防水性が大きく低下しているサインです。
雨水を弾く力が弱まっているため、この段階を放置するとひび割れや雨水の浸入など、さらに深刻な劣化へ発展する可能性があります。
外壁のひび割れや欠け
外壁を25年近く放置すると、ヘアクラックと呼ばれる細かな割れから大きな割れまで、さまざまなひび割れが発生しやすくなります。
ひびの部分から雨水が入り込むと、外壁の下地や構造材を傷める原因となり、家全体の耐久性にも影響が及びます。
雨水などの浸入が原因で外壁の一部に欠けや浮きが出ると、塗装での補修が困難になる場合も珍しくありません。
外壁の劣化が激しいと、外壁材そのものの張り替えが必要になるケースもあるため注意が必要です。
カビやコケの発生
外壁を長期間メンテナンスせずにいると、北側や湿気の多い面を中心にカビやコケが繁殖しやすくなるのも問題点です。
カビやコケは見た目が悪くなるだけではなく、外壁表面の劣化を早める原因にもなります。
放置して根が入り込むと、通常の洗浄では落としきれなくなる場合もあり、より大がかりな対応が必要になることがあります。
シロアリの発生
雨水が内部に浸入し木部が常に湿った木材は、シロアリが好む環境となり、被害が発生しやすくなります。
シロアリが基礎や柱にまで侵食すると、補修には大掛かりな工事が必要になり、費用負担が大きくなるケースも少なくありません。
外壁の劣化を放置することは構造上のリスクにつながるため、早期の対策が重要です。
外壁塗装の耐用年数が変わる要因
同じような塗装をしても、すべての住宅が同じ年数もつわけではありません。
建物の状態や立地、施工の丁寧さなど、さまざまな要素が外壁塗装の寿命に影響します。
外壁塗装の耐用年数を左右する主なポイントを押さえておきましょう。
下地の劣化状況と処理
外壁塗装の寿命に大きく影響するのが、塗装前の下地の状態です。
外壁にひび割れや浮きがあるまま塗装してしまうと、塗膜がしっかり定着せず、早期に剥がれや劣化が進む原因になります。
早期の劣化を防ぐためにも、高圧洗浄やクラック補修といった下地処理を丁寧に行う必要があります。
特に劣化が進んだ外壁ほど、適切な補修が長持ちさせるためには欠かせません。
下地の工事からやり直しとなると、莫大な費用が必要になる場合もあります。
塗料のグレード
外壁塗装に使用する塗料は、グレードが上がるほど耐用年数が長くなる傾向があります。
そのため、長く外壁を保ちたい方には中〜高グレードの塗料が選ばれることが多いです。
ただし、価格だけを重視して選んでしまうと、結果的に塗り替え回数が増えてトータルコストが高くなる場合もあります。
また、高耐久塗料を使ったからといって、必ずしも数十年ノーメンテナンスで安心できるわけではありません。
施工の質や環境の影響も大きいため、過信しないことが大切です。
目地や細かい部分への塗装・処理
サイディング外壁の目地部分やサッシまわりなどの細かな箇所は、特に劣化が起こりやすい弱点部位です。
目地部分はコーキングの打ち替えや細部まで均一に塗装する作業が重要で、少しの塗り残しが外壁全体の寿命に影響することもあります。
見えにくい場所ほど手を抜かれやすいため、丁寧な施工を行う業者かどうかが仕上がりと耐久性を左右します。
建物の立地や天候条件
外壁の耐久性は、建物が置かれている環境によっても大きく変わります。
海沿いや川沿いの地域では塩害や湿気の影響で、日当たりや風当たりが強い場所では紫外線によって塗膜が傷みやすくなるので注意が必要です。
周囲に樹木が多い地域や湿気がこもりやすい地形の場合は、カビやコケが発生しやすくなり、外壁の劣化を促進してしまうこともあります。
立地に合わせて適切な塗料やメンテナンス計画を検討することが大切です。
外壁塗装を25年間良好に保つために必要なメンテナンス
外壁塗装は「一度塗って終わり」ではありません。
状態を確認しながら適切なタイミングでメンテナンスすることが、結果的に家を長持ちさせる近道です。
25年というスパンで外壁を考えるなら、塗料選びとメンテナンスサイクルの両方を計画的に考えるのをおすすめします。
適切な塗料を選択する
外壁を長期間良好な状態で維持するためには、建物の立地環境や外壁材に適した塗料を選ぶのがポイントです。
単に価格だけで選んでしまうと、耐久性が不足して早期の塗り替えが必要になり、結果的に費用が高くつくこともあります。
「とにかく安く」ではなく、「どれだけ長持ちするか」と「総額でどれだけ抑えられるか」というバランスを考えて選ぶのが大切です。
将来的な塗り替え回数も含めてトータルコストを比較しておくと、より納得のいく塗料選びができます。
適切なサイクルでメンテナンスをする
外壁塗装を長持ちさせるためには、10年程度を目安に定期的な点検と必要な補修を行うことが重要です。
たとえ高グレードの塗料を使用していても、下地の状態や天候、立地条件などによって想定より早く劣化が進む場合もあります。
小さな劣化の段階で対処することで、塗り替えのタイミングを適切に見極められ、結果的に大規模な修繕費を抑えることにつながります。
気づかないうちに劣化が進む前に、早めの点検とメンテナンスを意識しておくことが大切です。
外壁塗装は25年ではなく10年周期でメンテナンスしよう
外壁塗装は、一度塗れば長期間安心というものではありません。
たとえ高耐久の塗料を使用しても、気候や立地条件、下地の状態などによって劣化の進み方は変わります。
外壁を健康な状態で保つためには、25年放置するのではなく、10年を目安に点検やメンテナンスを行うことが大切です。
定期的なメンテナンスを取り入れながら、安心して住み続けられる住まいづくりを心がけましょう。





















