外壁塗装はいくらが妥当?費用相場から値段を抑える方法までを解説
2025.08.01 (Fri) 更新
外壁塗装を検討する際に、最も気になるのが「費用相場」ではないでしょうか。
ネットで調べても、価格に幅がありすぎて不安になる方も多いはずです。
この記事では、一般的な外壁塗装の相場から費用が変動する理由など、費用についての疑問点をわかりやすく解説します。
納得のいく塗装工事を実現するために、ぜひ参考にしてください。
目次
外壁塗装の費用相場はどれくらい?
外壁塗装を検討する際に、まず知っておきたいのが全体の費用相場です。
建物の規模や施工内容によって金額には幅がありますが、ここでは30坪程度の住宅を想定した場合の目安をご紹介します。
・外壁塗装+屋根塗装:110〜160万円
・外壁のみの塗装:70〜110万円
・屋根のみの塗装:60〜80万円
上記の金額はあくまで目安であり、使用する塗料のグレードや建物の形状、劣化状況によって上下する可能性があります。
正確な金額を算出するためには、専門の業者に見積もりを依頼しましょう。
外壁塗装の費用内訳とそれぞれの相場
外壁塗装の費用は、いくつかの項目ごとに分かれており、それぞれに明確な役割と価格帯があります。
この章では、よくある見積もりの内訳に沿って、項目ごとの相場感や注意点を解説します。
どこにどれだけお金がかかるのか、参考にしてください。
足場代
足場代の相場はおおよそ20万円前後ですが、建物の高さや形状、敷地の広さなどによって前後する場合があります。
外壁塗装を行う際、足場の設置は欠かせない工程です。
高所での作業を安全かつ正確に行うために必要なものであり、工事全体の品質にも大きく影響します。
一見すると「余計な出費」に感じられるかもしれませんが、職人が安定した環境で丁寧に作業をするためには必須となる費用項目です。
洗浄・下地処理費
外壁塗装を行う前には、塗料がしっかりと密着するよう、外壁表面の汚れを落とす高圧洗浄や、ひび割れ・剥がれといった劣化箇所の補修が必要です。
高圧洗浄の相場は約3万円、下地処理は約4万円程度が目安ですが、こちらも建物の状態によって費用は上下します。
特に築年数が経っていたり、外壁の傷みが激しかったりする場合は処理工程が増えるため、費用も高くなる傾向にあります。
この下地処理が不十分だと、せっかくの塗装もすぐに剥がれてしまう可能性があるため、塗装の耐久性を左右する非常に重要な工程です。
塗料代
塗料の選定は、外壁塗装の総費用と性能に大きく影響します。
コストとバランスの良さで人気なのがシリコン塗料で、相場は1平方メートルあたり1,800〜3,500円程度です。
耐久性を重視する場合は、フッ素塗料がおすすめです。
フッ素塗料の相場は1平方メートルあたり3,000〜5,000円ほどとやや高額ですが、そのぶん塗り替えの頻度を減らせます。
無機塗料や光触媒塗料といった高機能タイプもあり、価格帯が高くなるものの耐用年数が長く、メンテナンスコストを抑えられる点が特長です。
外壁塗装の費用が変動する要因
外壁塗装の費用には定価がないため、建物ごと・依頼内容ごとに価格が大きく異なります。
だからこそ、さまざまな要因が複雑に絡み合って費用の違いが生まれます。
代表的な費用変動の要因について理解しておきましょう。
建物の大きさと形状
外壁塗装の費用は、建物の大きさに比例して高くなります。
外壁面積が広くなれば、それだけ使用する塗料の量や施工時間も増えるため、総費用も上がっていきます。
外壁に凹凸が多かったり住宅の形状が複雑だったりした場合も、職人の作業工程が増えるため費用増加の原因になりやすいです。
平屋か2階建て以上かといった建物の高さによって足場の規模や設置コストも変わってくるため、全体的な費用に大きく影響します。
塗料の種類とグレード
使用する塗料の種類によって、1平方メートルあたりの単価は大きく異なります。
「ウレタン塗料<シリコン塗料<フッ素塗料<無機塗料」の順にグレードが上がりますが、高グレードになるほど塗料の価格は高額です。
そのぶん耐久性が高く塗り替えの頻度も少なく済むため、長期的に見ればコストを抑えられる場合もあります。
建物の状態やライフプランに合わせて、適切な塗料を選ぶことが重要です。
下地の劣化状況や補修の有無
外壁がひび割れや塗膜の剥がれがある場合は、塗装前に補修作業が必要です。
劣化の程度が大きいほど作業に手間がかかるため、その分費用も高くなる傾向があります。
下地処理を十分に行わずに塗装だけをしてしまうと、すぐに塗膜が剥がれてしまうリスクが高く、結果として早期の再施工が必要になる恐れもあります。
こうした下地補修は見積もりの中でも見落とされがちですが、塗装の持ちを左右する大切なポイントです。
立地条件による要因
建物の立地条件も、外壁塗装の費用に大きく影響します。
隣家との距離が近い場合や、建物が傾斜地・道路に面していない場合などは、足場の設置が難しく、追加費用が発生することがあるので注意が必要です。
作業車の駐車スペースが確保できない立地では、別途駐車場の手配や交通誘導員の配置が必要になる場合もあります。
都心部や住宅密集地では立地条件に関する要素で、想定以上に費用がかかるケースも少なくありません。
時期・季節による価格変動
外壁塗装には繁忙期と閑散期があるため、依頼する時期によっても費用が変動します。
春や秋は天候が安定しているため工事が集中しやすく、価格もやや高くなる傾向です。
夏や冬は比較的依頼が少なくなる閑散期のため、業者によってはキャンペーンや割引が適用されることもあります。
人件費
塗装作業を行う職人の人件費も、費用を変動させる要因です。
自社で職人を抱えている業者であればコストを抑えやすいですが、下請け業者を介する場合は中間マージンが上乗せされるので、費用が高くなる傾向があります。
業者によっては経験の浅い職人を起用し、極端に安い見積もりを提示する場合もあるため注意が必要です。
技術力の高い職人に適正な対価を支払うことは、品質の高い塗装につながります。
外壁塗装の相場より費用を抑えるためのポイント
外壁塗装は決して安い買い物ではありませんが、ちょっとした工夫やタイミングの違いで相場より費用を抑えることも可能です。
「なるべく費用を抑えたいけど、品質は妥協したくない」という方へ、賢くコストダウンするための具体的な方法をご紹介します。
無理な節約ではなく、適切な判断でコスパの良い塗装を実現しましょう。
夏や冬など閑散期を狙う
外壁塗装のオフシーズンである夏や冬は需要が落ち込み、依頼が少なくなる傾向にあります。
業者によってはオフシーズンに合わせた割引やキャンペーンなどを実施している可能性があるので、一度確認してみましょう。
今すぐ塗装を必要とするほど切迫している状況ではないのなら、閑散期を狙うのも一つの選択肢です。
助成金や補助金を活用する
自治体によっては、外壁塗装や断熱改修などを対象にした補助金制度を設けていることがあります。
支給額は数万円から十数万円と幅がありますが、条件を満たせば大きな負担軽減につながります。
ただし、申請には書類提出や工事前の申請が必要となる場合がほとんどです。
時期などの問題で使えると思っていた補助金が使えない場合もあるため、自分で判断せず、専門業者などに必ず事前相談を行いましょう。
信頼できる地元業者に依頼する
地域密着型の業者は、移動コストや広告費が少ない分、価格も比較的リーズナブルな傾向があります。
その地域の気候や建物特性を熟知している強みもあるため、適切な塗料の選定や施工方法を提案してもらえるのもポイントです。
困ったときにもすぐに対応してもらえる距離感も、地元業者ならではの良さです。
参考:外壁と屋根を同時に塗装する
外壁と屋根の塗装時期が近い場合は、同時に工事を行うことで費用を抑えられる可能性があります。
特に足場の設置費用は一度で済むため、別々に行うよりもトータルコストを抑えられるのがメリットです。
同じ業者にまとめて依頼することで、セット割引やサービスの対象になるケースもあります。
ただし、同時施工は一度に支払う金額が大きくなるため、予算とのバランスを見ながら無理のない範囲で検討することが大切です。
外壁塗装の費用相場を知って賢く依頼しよう
外壁塗装は、見た目を美しく保つだけでなく、建物を雨風や紫外線から守り、長く快適に暮らすために欠かせない工事です。
その費用は建物の大きさや塗料の種類、立地条件、施工時期などによって大きく変動するということを理解しておきましょう。
安さだけで業者を選ぶのではなく、「何にどれだけ費用がかかるのか」を理解したうえで納得のいく選択をすることが重要です。
外壁塗装を検討する際は、丁寧な説明や親身になって相談に乗ってくれる業者を見つけるところから始めてみてください。